なんで知らないうちに入ってくるの!本当にむかつく!
お前のせいで、うちの家族は本当に大変だった。
真面目に生きてきた父が、なぜあんな思いをしなきゃいけなかったんだよ。
もっと、他に悪いことしてる奴なんていっぱいいるじゃん。
そういう奴らはのうのうと生きて、うちの父が苦しまなきゃいけないなんて、本当に理不尽だし不公平だよ。
がんのせいで父は仕事も辞めたし、私も仕事を辞めるはめになった。
手術の費用だってかかるのに、職を無くした気持ちがお前に分かるか?
なんのために、ここに来たんだよ!もう辞めてくれ。お前に怯えながら暮らす日々はもううんざりだ。
完治したとしても、一生お前に怯えながら暮らさきゃならないこっちの身にもなってくれ。
こっちは何も悪いことしてないじゃん!それなのに、大好きなステーキを食べることを諦め、ハンバーガーやポテトも食べられない。
そんな父を見るなんて、本当にかわいそうでたまらないんだよ。
お前さえいなければ、もっと笑って暮らせたのに。もっと楽しい老後を送れただろうに。
そう思うと、悔しくて悔しくてたまらない。子どものために必死に涙をこらえる父の姿を、本当に見ていられなかった。
何もできない自分にもいらついてしまった。
お願いだから、もうこっちにはこないでくれ。勝手に住みつかないでくれ。
というか、この世からいなくなってくれ。お前を必要としている人なんて、この世に誰もいない。
だから、お願いだから目の前から消えてくれ。頼む。あの時の、一生懸命に働いていた父を返してくれよ。
できることなら、昔の幸せだった頃に戻りたい。何も気にせず、旅行や外食をできた時のこと。
私の子どもは、じいじと一緒に旅行できたことが未だにないんだぞ。なんでか分かるか!?
お前のせいだよ。出かける場所にもいろいろ制約があって、まともな旅も出来やしない。
孫と一緒に外食を楽しむこともできない。会うのはいつも家の中。そんな思い出しか作れないなんて、かわいそうだと思わないのか。
お願いだから、もうこれ以上私たち家族から大事なものを奪わないでくれ。
前以上に食事にも気を使っているし、運動も心がけてる。だから、絶対に私たちのもとへは来るな!
百害あって一利なしのお前にもう用はない。たくさんのお金と笑顔を奪っていったお前には、正直、憎しみしかない。
だから、もうこれ以上、私たちを苦しませないでくれ。頼む!
あの時の幸せな時間は戻せないっていうんなら、せめて絶対にこっちには戻ってくるな。