拝啓
私の大嫌いな癌へ
私がたまたまガン専門病院勤務だったのでまだ良かったがもし君があと50年ほどして、私が退職してから見つかってきたらと考えたらゾッとする。
君と割と長い間共存しないといけないと担当医に伝えられた時、もう私の人生はほとんど終わったと思ってしまった。
まだ私は結婚もしてないし子供もいない。夢もあるがまだ達成出来ていない。
やりたいことはたんまりあるのに君との長い付き合いで時間やお金、メンタル的なもの、人間関係まで全て崩れてしまったと思った。
幸い現代医療はだいぶ進んでいるので大した痛みや副作用も少なく治療できる方法が見つかっていたので安心して治療できたが不安はもちろん少なからずあった。
その私の心境も併せてここに綴る。
君が私の体に侵入してきたとき、私は驚きと共に深い失望を感じました。
君は静かに忍び寄り、その病巣を拡大させることで、私の健康や幸福を奪いました。
この手紙は、私が抱く君への不満や怒り、そして一方で君との闘いを通して学んだ教訓について語ります。
最初に、君が私にもたらした身体的な苦痛について言及せざるを得ません。君の存在は私の体を侵食し、細胞を乱しました。
手術や治療によっても、君が私を離れようとはしませんでした。
そのたびに感じる痛みや苦しみは、日常生活を取り戻すことの難しさを象徴しています。
また、君は私の心にも影響を及ぼみました。不安、恐怖、そして未来への不確かさによって、私の心は揺れ動きました。
君が与えた精神的な負担は計り知れません。しかし、その中で見つけた強さと希望は、私の人間性を深め、成長させました。
君に対する不満や怒りは時折、心を重くするものですが、同時に君との戦いが私を変えたことも認識しています。
君が引き起こした逆境に立ち向かうことで、私は自分の強さや覚悟に気づきました。家族や友人たちの支えにも感謝しています。
君が引き起こした危機が、私の周りの人々との結びつきを強めるきっかけとなりました。
そして、君との戦いが教えてくれた最も重要なことは、一日一日を大切に生きることです。
君が私の人生に訪れた制約や不確かさにもかかわらず、私は君に屈せず、前進し続けます。
君が私にもたらした困難な瞬間も、新たな価値観や目標を見つけるきっかけとなりました。
この手紙を通じて、君に対して不満を述べるだけでなく、君との遭遇が私を形作り、強くするプロセスであることを理解しています。
君は私の人生に一部として存在し続けるでしょうが、私は君に負けない強さと決意を持ち続けます。
敬具
もう君が怖くない私より