突然胸のあたりが痛くなり、何となく病院に行って検査を受けてみたら乳がんの診断。
その時は頭が真っ白になったし死を覚悟した。自分の親も肺がんで亡くなっているから尚更がんと言うワードを聞いただけで戦慄。
30代という若さで自分はこの世を去らなければいけなくなると思って夜も眠れなかった。
仕事も辞めて乳がんの治療に専念。自分の楽しみの全部を捨てて治療することだけに集中する日々。
癌細胞が人間ならこの手で殺してやりたいと思うくらい耐えがたい日々を過ごしてきた。
どうしてこんなに苦しめるの?私が何かした?生きることを否定しているの?
そんなことを永遠と考えては辛くなって涙を流す毎日。
正直なところ、癌細胞は人を地獄へと落とす悪魔のような存在だと思ってる。
人でもない誰かの不幸を楽しむ悪魔。人が苦しめば苦しむだけ楽しいと思ってるサイコパス。
お前なんか誰にも愛されないし必要ともされない。だから人間に憑りついて不幸にしてやろうと思ってるんだろ?
そう考えると癌細胞は自分が死ぬほど憎くて仕方ない過去にイジメてきた奴のことだと感じる。
止めてって言っても全然聞かずに何度も足を蹴ったり頭を叩いてきた。
集団で無視するように言いふらしたり人前で恥をかくようなことも平気でさせられた。
そんな屈辱的な日々を闘病生活をしている時にふと思い出す。癌細胞は子供の時イジメてきたあいつだ、そうに違いない。
それでもそう思うことで闘病生活を頑張るきっかけにもなった。苦しくてもこの乳がんに勝てばあいつを滅ぼせる。
そんな気がしたからだ。癌細胞は完全に自分にとって憎らしいあいつに成り代わっていたから、思う存分苦しめて誰にも喜ばれることなく息絶えろ。
その強い気持ちだけが自分を完治させるまで頑張らせてくれたのかもしれない。
だから治療が終わった後に言ってやったんだ。お前に居場所なんかない、どう?苦しい?辛い?
その思いが今まで自分が経験してきた辛くてどん底の思いだったんだよ。
これで復讐することができた。惨めに一人で死んでなってね。
あの時確かに乳がんの痕跡は無くなってお前は消えたように思ったけど、再発する恐怖からは逃れられないしまた出てくる可能性は大いにある。
だからこそ言ってやろう。お前が自分の前に現れる度、何度だってお前の存在を消し去ってこの世から葬ってやるからってな。
醜くて不快な顔を二度と見せるな。見せるならグチャグチャに消される覚悟を持てよ。
私はお前を永遠に否定し続けてやるからな!