わけのわからない価値観で、理解ができない。お母さんを苦しめる。お父さんをコントロールしようとする。私たちを味方に付けようとするけど魂胆がみえみえ。おばあちゃんのことは正直あんまり好きじゃなかったし、おばあちゃんみたいになりたいとも思わなかったよ。
認知症で更にわけがわからなくなり、家族を困らせて。まぁ、それも病気だから仕方ないけど。いつも悲劇のヒロインで、人の目気にして、おじいちゃんが亡くなってからのおばあちゃんの人生に楽しいことはあった?
自殺しようとしてるって見せかけた時も、結局私たちに気にして欲しかったっていうのがみえみえだったよ。私は正直、おばあちゃんは癌になってよかったと思ってるよ。ずっと辛かったんだもんね。自分の本当の気持ちを、素直に家族に話せていたらもうちょっと楽だったんじゃない?
自分も、他人も受け入れることができたなら楽だったんじゃない?みんなが苦しむこともなかったと思うよ。認知症だったから癌になって最期を迎える時、結局思ってることを聞くことができなかったけどちゃんと話したかったな。
末期癌だってわかった時、認知症がひどくて精神科の病院に入院した。でも、結局お母さんの職場の病院に転院したのは何故だかわかる?精神科で最期を迎えるのは、世間体を気にするおばあちゃんは嫌だと思ったからだよ。
お母さんがおばあちゃんの気持ちを考えて転院の段取りをしてくれたんだよ。病院食を食べられなかったおばあちゃんに、少しでも食べる楽しみをとスーパーで美味しそうなゼリー探して病院に持って行ってたよ。すごくうれしそうな顔してたね。
酷く当たっていたおばあちゃんに対するお母さんの対応、覚えておいてほしいな。それを見て、わたしもお父さんもおばあちゃんへの対応を考えるようになったんだよ。お母さんのおかげ。最期を迎える間際にならないと、お互いが優しくなれないなんて、寂しかったね。
お互いがよい関係を作れたらよかったのにね。孫の私が言うのもなんだけど、おばあちゃんは素直になれたらよかったのにね。人の目を気にせず自由な人生を過ごせたらよかったね。そしたら、おじいちゃんが亡くなってからももっと楽しい毎日だったかもね。
それから、私たちもごめんなさい。おばあちゃんはあなたしかいないのに、冷たい態度をとってしまって。認知症になるまでに、楽しい思い出をもう少し残してあげればよかったかな。私の中では、小さい頃の楽しかった、優しかったおばあちゃんの思い出は残ってる。
おばあちゃんの中にはどんな思い出が残ってるのかな。